cool vienna!

ひょっとしてひょっとするとcool、かも知れないvienna。

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桶屋とフライパン
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地平線まで続くひまわり畑。
これね、もうすでに涙なくしては語れないです私。こんなひまわり畑の風景のシーンが強烈に印象的な映画「ひまわり」は、私が今まで観た中でいーーーっちばん哀しい映画なのですから。だいぶ前だけど、この映画を初めて観たときは、体中の水分がみんな涙になりました。その後、誰かがそんなに好きなら…とか言っちゃって、よりにもよってその映画「ひまわり」のビデオをくれたのだけど、カバーをちらっと見るだけで泣けて来るので、とうとう観ずに手放しました。あれからあちこちで何度も観る機会はあって、でもそのたびに最後はやっぱり体内水分量急低下現象が起こります。数日前、ウィーンから東へ電車で40分くらい行ったブルゲンランドという地方にある、ハンガリーとオーストリアにまたがる湖に行き、一日かけてチャリでその湖をぐるっと一周しているときにひまわり畑に出くわして、またまたこの映画のことを思い出しました。この季節のブルゲンランド地方では、まるで黄色いカーペットを敷き詰めたように、その山のない平らな土地の地平線までひまわりが咲き尽くしています。私は思わず「ジョヴァンナ(ソフィア・ローレン演じる主人公の名前)…」とつぶやいて、20年経った今でもまた胸に痛みが込み上げて来るのでした。私の泣きのツボ、映画「ひまわり」。ところで、この映画の中のはじめの方で、まだつかの間の幸せだった新婚当初のジョヴァンナとアントニオ(マルチェロ・マストロヤンニ)が、タマゴを何十個も使ってオムレツを作って食べるシーンがあります。そのオムレツというのが、私たちの知ってるいわゆる普通のオムレツじゃなくて、鉄のフライパンいっぱいにタマゴ液を入れてふたをしてじっくり焼いた、ちょっとトルテっぽいオムレツなんです。言わばスパニッシュオムレツ的な、でもタマゴ以外には何も入れてない贅沢なタマゴ焼きなわけです。ふたりは、出来上がったそれをトルテのように放射状に切り分けて食べるのだけど、それがもう、とんでもなくむちゃくちゃ美味しそうで美味しそうでたまらないのですよほんとにもぉっ。というわけで、涙も出るけど、よだれも出るステキな映画です。あと、こんなオムレツが焼ける鉄のフライパンもぜひ欲しくなります。ひまわり畑を観てフライパン購入を検討。この一連の流れは、風が吹けば桶屋が儲かる、と同じシステムですかね。
| manakuma | cinema | 17:00 |
コロンブスの砂浜
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砂浜。
それは、波が打ち寄せる南の海のシンボルのようなものであります。ところが、ここ北の国の街ウィーンの、しかもドナウ川にもあったんですねぇ、れっきとした砂浜が。コロンブスが新大陸を発見したように、私も最近、とうとうこの壮麗な砂浜の発見に至りました。ちなみに、コロンブスは大航海船サンタマリア号で行ったと伝え聞きますが、私はいつものチャリで行きました。普段行きつけのドナウ川とは、まるっきり違う方向に進路を取って向かったドナウ川。大冒険。しかもいつもの「ノイエ(新)ドナウ」と呼ばれる流れじゃなくて本流の方。実は、2ヶ月前の洪水で打ち上げられた泥が乾いて出来たと思われるのです。とにかく1、2週間前、初めてこの砂浜を見つけたときは、思わずチャリを投げ捨てて砂浜に走って行きました私。そして水に一歩足を踏み入れた瞬間、ズブズブズブ…と足が砂に埋もれていく、このなんとも心もとない感覚がとっても懐かしい。おぉっこれはまるで鵠沼海岸じゃ〜ん!と、私に大きな感動を呼び起こしたのでした。目の前には、太平洋の大海原…じゃなくて、向こう岸の20区のミレニウムタワー。そして子供の頃からの条件反射でしょうか、無意識のうちに左手方向に江ノ島を探したのですが、あの島影はあるはずもなく。代わりに橋が架かっていて、ところがその橋が意外にもいつも行くドナウ川のそばに架かっている橋と、反対側だけど同じじゃんっという事実に気付いたのでありました。結局これって、コロンブス、とうとう新大陸発見かと思いきや、気付いたら地元であった…的なオチなのね。まぁそんな日常の小さな発見も、案外楽しいものです。そんなこんなで、ひさびさの砂浜を堪能しているうちに、ふと気付いたことがあります。川には貝がない…。一個たりとも落ちてない…。なので次に行くときは、どこかで貝殻を買って持って行くつもりです。帰りに中華料理にも寄って、中華街気分も味わう予定です。めちゃくちゃ大冒険じゃんこれって。
| manakuma | daily view | 17:00 |
朝と散歩と処世術
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朝のお散歩って気持ちいいですね〜。
このところのウィーンはめっちゃくちゃ暑くて、ウィーンの大半のアパートと同様、私も冷房などない部屋に住んでるもんで、太陽がとっくにサンサンと輝いている朝7時頃にはもう眠ってなどいられず、目的もなく、なんとなくぶらぶらと外に出てみたのがきっかけです。それからは、ほとんど毎日同じ時間になると、朝散歩に出掛けて行きます。かろうじてTシャツくらいには着替えているけど、そんなんで私の自宅のそばにある500メートルくらい続く並木道を、早朝ボーッとしながら歩いている日本人のオンナをもし見掛けたら、それはまさしく私であります。で、この並木道のちょうど真ん中あたりに教会があり、普段目もくれないその教会の前の広場には、普段目もくれない花壇や噴水、ベンチがいくつかあって、そこでは早起きさんたちがゆったりと過ごしています。彼らの部屋にもエアコンは付いていないってことだけは確かです。そして、これまた普段思いもしていなかったけど、深呼吸ってすごく気持ちいいですね。体中にきれいな酸素が行き渡って、生まれ変わった気分になります。プチ輪廻(笑)。そして夏の朝の風はまだすっきり爽やかで、肌に触れるとシルクのようでサラサラととってもいい気分。並木道ではいろんなイヌたちも、飼い主に連れられてキャットウォークしています。風に吹かれてクリーム色の粉雪のようにアカシアの花びらがきらきらと降りそそぎ、みつばちだけがブンブン忙しそうに働いている夏の朝。そんな音に耳を澄ませてみんなリラックスしてる。みんないい気分。夏っていいなぁ…ってつくづく思う瞬間です。で、その足で近所のパン屋さんへ寄ってクロワッサンなどを買って帰って朝ご飯。このパターンでこの夏は過ごしています。そうそう、ところで数日前のこと。その散歩の途中で若い青年が私とすれ違いざまに、小さな声で「かわいい…」と言ったのですよ。それが私に対して発せられた言葉かどうかは別として、確かに「かわいい」とね。これホントにそう聞こえたのです。ホントのホントです。そしてそして、たったそれだけのことで、たったその一言を朝いちばんで、聞き間違いかどうかはともかく小耳に挟んだってだけで、その日の私は一日、朝散歩効果の上にさらに機嫌良く、充実感たっぷり、ひさびさにオシャレなどに気を使い、髪の毛もちゃんと梳かし、鼻歌まじりで仕事テキパキ、誰にでも優しく、ニコニコと穏やかに過ごせたのでありました。このことから、私は身を以て自ら学んだのです。人間の幸せには、思い込みというものが大きな割合を占めている。と同時に重要な役割も果たしている。ゆえに思い込みは、とても大切なものである。さらには、自ら積極的にどんどん思い込め、の方針でいくべきだ。と。打倒!某SNSめっ(あーまた言っちゃったよ)の勢いで。というようなことを。たとえ事実はどうあれ、です。
| manakuma | daily view | 17:00 |
禁断のエピソード
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昔、「アブサン」というお店に誘われたことがあります。
まだ東京に住んでいた20代の頃、とってもステキなスポーツマンの人に。それで私は、たしか「アブサン」という名前のフランスのお酒があったな…と気付き、それはフランス風のバーなのであろうと信じて、そんなオシャレなお店に誘われてウキウキしていました。ところがその日そのお店へ行ってみると、「アブサン」は「アブサン」に違いないのですが、カタカナの「アブサン」ではなくて、アルファベットでもなくて、ひらがなの「あぶさん」だったのです。つまりそのお店は、水島新司の野球マンガ「あぶさん」から付けられた、「あぶさん」という名前の居酒屋だったんです。お店の小鉢にも、大皿にも、小皿にも、すべてあの「あぶさん」が描かれていたのを覚えています。お客さんは、私を案内してくれた人も含め、みんな「あぶさん」ファンの常連の方々のようでした。先日、かつては禁断の酒と呼ばれた、正真正銘、アブサンばかりを何種類も集めて出しているこのバーを見つけて、久々にそんな遠い昔の出来事を思い出しました。その後、その人とは何となく会わなくなってしまったけど、今思えば良い居酒屋だったし楽しい思い出です。まだあるのかな「あぶさん」。そして自分自身のこととは言え、「まったく若いオンナは鼻持ちならないよっ」って感じです(笑)。ところでこの、水島さんのじゃなくて、フランスさんの「アブサン」は、薬草の香りが強いので、人によって好き嫌いがはっきり分かれるけど、私はけっこう好きです。あれ、何ででしょうか、液体の色が黄色やグリーン、青なんてのがあってとってもキレイ。パリのカフェやバーなどで頼むとお水のカラフェが一緒に出て来て、自分で割りながら飲むのが一般的です。透き通ったその液体が、水を入れたとたん濁るのも不思議です。この日、このアブサン・バーで見たのは、バーテンダーの人が、専用のスプーンに角砂糖を乗せて、それをフランベしつつ、これまた専用のクラシックなウォータージャグ的なものの、その左右に付けられた小さな蛇口から水をちょぼちょぼ…と、フランベ角砂糖の上から注ぎ、しばらくしたらそのエレガントな専用スプーンで、カラカラとグラスの中をかき混ぜて出してくれる、まぁ必要以上にめんどくせぇなと言っちゃえば元も子もないのだけど、とってもレーゾン・デートルなアプローチを取ってる、とってもとってもロマンチックなお酒なのでした。揃えてあったグラスも、アンティークのチェコグラスをはじめ、趣味の良いものばかりでした。ちなみに、それらに「あぶさん」は描かれていませんでした。
| manakuma | food + drink | 17:00 |
たぬきの所信表明
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ビーバー。別名、海の狸と書いて海だぬき。
正直言って、そのような方には、私はなるべくお目にはかかりたくないのです。今までこうして何の関わりもなくやって来て、それで何の不自由も感じなかったわけですから。それを今さら、あぁぜひとも海だぬきさんとお友だちになりたいな、などと思うはずもなく、なのに突然こうして登場の気配を残されて、ハイそうですかって穏やかでいられるわけがないのです。と言うより戦々恐々です。海だぬきのやつ、と言うか正確には川だぬきなわけですけど、やつはどうも日が暮れたあとに、どこからかのそのそと出て来るらしく、ドナウ川のほとりの私のお気に入りの場所の、いつも私が自転車を立てかけておく、ゆうに20メートルの高さはあるポプラの木の根元を、必死でカジカジしてる様子なのです。そうしてポプラの木の根元は、まるで齧られた茹でとうもろこしみたいになっちゃっているんですよ。この先、やつはこれをどうしようと思っているのか、そこんとこが知りたいわけですよ私としては。ビーバーはよく、誰に頼まれもしないのに自分の都合で木を齧ってダムを作るなどと聞いたことがあるけど、この場所の使用者の一員としては、そんなこと勝手にやられちゃ困っちゃいます。ポプラの方にしたって、上の方をキツツキにコンコンやられるならまだしも、こんな風にいきなり根元を齧られちゃとっても迷惑ですからね。ちゃんとその意図や目的を表明して、マニフェストとして文章化し張り出しておいていただくべきであり、そしてきっちりみんなの賛否を問うていただきたい。それが民主主義というものです。そんな困惑を抱えてポプラの木を眺めている時、あれっ?と気付いたのは、そのすぐ横の地面に空っぽのジム・ビームのビンが打ち捨てられていて、どうやらやつはこれを飲みながら、やけくそになってカジカジしていたと思われるんです。何かむしゃくしゃすることでもあったのですかね。そっかそっか、ああ見えてもたぬきはたぬきでいろいろタイヘンなんだね。と気付くと同時に、ドナウ川のたぬきもやっぱり酒好きだった、で、意外にもバーボンがお好みだった。その事実に苦笑しつつ、とにかく私が昼寝中にだけは登場してくれんなよ…と、そのことを願ってやまない夏のウィーンです。
| manakuma | daily view | 17:00 |
桜と桃と高楊枝と
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ウィーンは、すっかりサクランボの季節です。
私が、ウィーン人によく聞かれることのひとつに、「トーキョーにはたくさん桜の木があるのだから、花のあとにはサクランボもそこらじゅうに成って、よく食べているのでしょうね?」っていうのがあります。私は、桜の木のシステムについてはほとんど何も知らないけど、どう思い起こしても、成らないよなぁソメイヨシノにサクランボ…。靖国神社でサクランボ狩りって聞いたことないもの。もしも東京にあるあれだけたくさんのソメイヨシノの木に、夏のはじめの頃、ほんとにサクランボがたわわに成ったとしたら、すごいだろうな東京。そうしたら、東京銘菓もサクランボにちなんだものがたくさん。サクランボ大福、サクランボ…、えっとサクランボ…、サクランボなんだろ、佃煮?…とにかくたくさん。ところで、サクランボは桜桃とも呼ばれていて、桜だけでも美しいのにその上桃だなんて、まったくその通りの見た目だし、なんだか奥ゆかしくて詩的な名前です。お値段的な側面からも無意識のうちに影響を受けているのか、とても儚(はかな)げな響きです。そして知る人ぞ知る「桜桃忌」。太宰です。ザ・儚げ人間です。実は、この太宰治のお墓があり、毎年6月に「桜桃忌」が行われる東京の禅林寺は、私の実家のすぐそばなのです。禅林寺には太宰だけではなくて、あの森鴎外も眠っています。このお寺は、ただ実家のそばにあるってだけで、ほかには私と縁もゆかりもないのだけど、これ、一応自慢のタネにしていますから。それで、あまり大きいわけじゃなく、どちらかと言うとこぢんまりとしたその墓地のいちばんどん詰まりに、大きなソメイヨシノが一本あります。その木が満開になると、それはそれは美しく、壁の高さよりはるかに高い枝振りの3分の1くらいが、ちょうど裏手にある駅に続く細い道に出ているので、その時期はそこを通るたびに私はすっかりココロ奪われ、夢心地でしばらくのあいだ立ち止まってしまいます。いろいろな桜の木を見たけど、結局それがマイ・ベスト・オブ・桜の木だと思うのです。墓地の壁をつたうようにしてハラハラと舞う桜の花びらは、太宰が眠っている場所にふさわしく、どこか憂いを含んであの世的に儚げなのでした。と、そんなことを遠い目で話す日本人代表の私に、「たとえキレイでもさぁ、やっぱり実が成らなくちゃねぇ」とがっかりした様子のウィーン人たちに言うよ、キミらは何も分かっちゃいないのさ。
| manakuma | food + drink | 17:00 |
ダークサイド礼賛
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狼男はいるのか、いないのか。
満月の夜、月に雲がかかるとやつは登場する、などと言われていますね。そうそう、ちょっと話しは反れますが、私は普段、月のことってすっかり忘れてます。時々思い出して、夜空を見上げて確かめてみると、「あれっキミってまだそこにいたんだ〜そっかそっかぁ」って、ちょっと驚いてしまうのは私だけでしょうか。ところでオオカミオトコの話し。毛むくじゃらなやつ。狼男もそうだけど、そのほか吸血鬼ドラキュラとか、ノスフェラートゥとか、魔女狩りにまつわるあれこれとか、この手の闇夜系のスリリングな言い伝えの多くは、東ヨーロッパの十八番(おはこ)です。数年前に仕事で、私はルーマニアの吸血鬼伝説について調べたことがありました。その中で気付いたのは、西欧で作り上げられたホラーストーリーの主人公、世界でもっともダンディなセレブ「ドラキュラ伯爵」の姿というよりもむしろ、当時、東欧のどの村にもあった「生ける死体」としての、もっとコテコテな土臭い、人々の信仰や禁忌、疫病や死への恐れなどを強烈に感じたのでした。それと同時に、ボヘミア、モラヴィア、スラブの人々の民俗性のようなものに触れることが出来ました。ところで、1930、40年代のファンタジーホラー映画を中心に今、カールスプラッツに作られたオープンエアのスクリーンで毎晩やっています。今年のテーマは「狼男」です。数日前に観た1931年の「モルグ街の殺人事件」が、いかにもザ・ダークサイド・ファンタジーって感じでとても良かったな。そうそう、またしても反れ気味になっちゃうけど、その映画の中で、登場人物がお昼ご飯を作るシーンがあって、お鍋の中の茹で上がったパスタに、ソースのようなものを混ぜながら「マカロニが出来たよ〜」って言うんです。どう見てもスパゲティなのに…。湯気が立ち上がってすごく美味しそうなそのモノクロの一シーン。イタリアの食べものであるパスタをすべてマカロニって呼んじゃうところが、なんとなく30年代のアメリカらしい、フランス人小説家エドガー・アラン・ポー原作の、パリを舞台にした、東ヨーロッパ民間伝承的な物語をモチーフにした、ハリウッド映画なのでした。(ふ〜っ)
| manakuma | cinema | 17:00 |
パラピュイの発明
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よく考えたら傘ってすごく不思議ですよね。
棒の先に小さなテントみたいなものを張っちゃって、空から降って来るものをよけようって魂胆なんですから。それも、ほかの人はおかまいなしで、かろうじて自分の立っている場所だけの、かなり局地的なよけ方。考えようによっては、姑息とも言える。同時に、自分が歩くのに合わせて、あっちこっち持って歩くインスタント屋根を作っちゃうって、かなり大胆な発想でもあります。発明した人は、きっとカタツムリか、カメを見ていて思いついたのかな。などと、傘についてあれこれ思う今日この頃。と言うのも、ウィーンはここ2、3ヶ月、雨続きのひどいお天気で、普段傘を持たない主義の私は、その間、冴えない折り畳み傘を引っ張り出して使っていたのです。おまけに風もビューンっビューンって感じだったので、ご存知のとおり折り畳み傘は、ちょこっと強い風が吹くと簡単にベコっと反対側を向いちゃって、それは別に自分のせいじゃないのに、その瞬間、まわりを歩いている人々や、車の中の人々から笑われているような気がして、なぜかものすごく恥ずかしい。また、それを焦ってコソコソ直している自分の姿がめちゃくちゃカッコ悪い。あわてて直したあとに、誰か見ていなかったでしょうね、とキョロキョロしなきゃいけない自分も情けない。そんなわけで、チャリティショップで見つけた中古なんですけど、久しぶりにまともな傘を買いました。80年代のものでしょうか、大胆なプリントに、柄(手先)のところが黒く塗られた木製で、手に馴染んでお気に入りです。傘、持ち慣れていないので、失くさないといいんだけどな…。最近どこかで読んだのですが、傘の不具合の90%以上は、修理してまた使うことが出来るようになるのだそうです。逆に使い捨ての傘は、部品が接着剤で固定されているため分解出来ず、膨大な数の傘がただの不燃ゴミとして埋め立てられている、と。そっかそっか、すっかり地球に優しい行いをしたのだな自分、と思ったまではいいけれど、肝心の傘の修理ってどこへ持って行けばいいのでしょうか。ミスターミニットとか?…そこんとこがちょっと不明なままです。
| manakuma | fashion | 17:00 |
甘い生活の思い出
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この日選んだ前述の「ピッツァ・マリー」のデザートたち。
パンナコッタの木いちごソース添え、カプレーゼ(カプリ風ケーキ)、それからパンナコッタのアマレット酒漬けサクランボ添えです。新鮮な牛乳とか、フルーツやナッツを使ってシンプルに作るものが多いからでしょうか、イタリア料理のデザートにはいつも、どこか駄菓子的と言うか、甘味どころ的な、ゆるいレトロ感があります。ある意味それは、フレンチのパティシエが作る、ゴージャスで洗練されたアントルメとは対極にある気がします。もっとも、ローマやナポリを旅すると、どんなレストランでもデザートのほとんどは、旬のフルーツそのまんまってことが多いみたいです。いまどき、百貨店の食堂街にもない、懐かしの「パイナップル・ボート」をいつも見掛けるし、いつだったかローマかナポリのピッツェリアで、向かいのテーブルのおじさんの目の前にどっかと置かれたデザートらしきものが、普段キッチンで使うような中くらいのサイズのステンレスのボウルで、はじめは中に何が入っているのかよく分からなかったけれど、それはちょうど、その季節に盛りの山盛りのサクランボだった、なんてことがありました。おじさんの食べてる様子がすっごく美味しげで、迷わず私も同じサクランボを頼みました。イタリアのサクランボは、姫リンゴくらいの大きさがあって、味がとても濃厚で、瑞々しくてめちゃくちゃ美味しいんですよ〜。ところで、パンナコッタは言わずと知れたミルクプリン。フランスではブラン・マンジェ、東へ来ると中国の杏仁豆腐と、似たようなデザートが世界にあるんですよね。どれも牛乳を固めたってだけの超シンプルなデザートなのに、食後にぴったりのさっぱり&甘さほんのり。そう言えば、忘れちゃいけない日本が誇るドルチェ「牛乳寒」も、缶詰のみかんが入ってて大人気の給食のデザートでしたね。ぜんぜん関係ないけど、私はきな粉のかかった揚げパンも好きでしたよ。手がベタベタするので、直接じゃなくて、よくビニール袋に手を入れて掴んで食べましたっけね。
| manakuma | food + drink | 17:00 |
農耕民族の食事処
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最近、私がよく行く2区の「ピッツァ・マリー」。
ピザが何種類かと、飲み物と、デザートくらいしかない、シンプルなピッツェリアです。飾り気のないガランとした昔っぽいイタリア食堂をイメージしたインテリアに、人々の話し声が天井にこだまして、食堂然の安物のお皿と安物のピザ用ナイフ。これ以外のものは何も要らない、私の理想のお店なのです。だいたい私は、気取ったレストランよりも、素っ気なく清貧な感じが好きです。たとえばその日に着てた服を、わざわざ着替えて出掛けたりする必要のない、つっかけカランコロンのお食事処がいい。いつもの冷たいビールと、味は、特別美味し過ぎて無口になったりすることのない、そしてその逆の無口もない、いつ行っても安心して食べられる定番の味。テーブルをはさんで向かいに座ってるひとと、そこそこに会話が弾む、それも、人生の憂い系にはあまり関係のない、お天気とか日常のたわいもない出来事系の話題をそつなく導き出してくれる食事、そんなのがいいですね。だってもしも一緒に行ったひとが、ピザを食べながら弁証法的唯物論について語り出したら、ちょっと困っちゃいますからね。ここのピザは、石窯でこ〜んがりと焼かれた、はじっこはカリッと、でも本体のところどころがお餅みたいにプクーっとふくれ、全体的にはモチモチの生地がとても美味しいピザなのです。なのでときどき、トマトソースなしのピザも食べたりします。唐辛子入りのオリーブオイルをちょこっとかけて食べると、じわ〜っと小麦の味がして、そうだよそうだよ小麦粉ってもともと麦という穀物だったんだよね、ってことを思い出させてくれます。今頃イタリア半島のどこかで、一面に広がる初夏の麦畑にそよそよと風が吹き渡り、緑の麦の穂がざわざわと波打って、その上の青空をヒバリかなんかがちゅんちゅん言って飛んでる…(ヒバリ、ちゅんちゅんで合ってますか?)、そんな風景が目に浮かんで来て、異国のこととは言え、思わず「うんうん、コレコレ」とひとりうなずく、農耕民族出身の自分なのでした。でも混んだら嫌なので、あんまし来ないでね。
| manakuma | food + drink | 17:00 |
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