cool vienna!

ひょっとしてひょっとするとcool、かも知れないvienna。

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美しさと哀しみと


という名の川端康成の小説をご存知ですか?
はるか遠い昔、単純にこのロマンチックなタイトルに惹かれて読みました。まだその時の私は、このタイトルが大きな矛盾をはらんでいることに気付いていなかったけど。そのあと長い時間を経た現在、たいていの哀しみというものが、それと一緒にドロドロ、ぐちゃぐちゃ、恨み、つらみ、妬み、嫉み、ともすると憎しみまで。そういった醜い感情を伴うものだということを、自らの経験を通して知っています。ほとんどの場合が「醜さと哀しみと」なのだということを。美しさと哀しみは、たとえば嫁と姑のようにあまり同居に向いていない(?)ってことを。だからこそ、もしもこの世に美しい哀しみなんてものがあるとすれば、それは、この上なく高貴で尊いものなのではないか…と。そんなことを考えているうちに、気付けばもうオペラ座あたりまで来ていて、まだ人影まばらな日曜の早朝のパリの街に、朝日がキラキラと当たってとてもきれいでした。耳元で整然と鳴り響くトッカータのピアノの音色の後ろで、私の愛するグレン・グールドのかすかなハミングが、凛と心にしみ
る瞬間なのでした。
| manakuma | music | 01:00 |