cool vienna!

ひょっとしてひょっとするとcool、かも知れないvienna。

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今年ミュンヘンで
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「去年マリエンバートで」という映画があります。
1961年に撮られたアラン・レネという監督のモノクロのフランス映画なのですが、これがとっても難解で不思議なストーリーでワケ分からんのですわ。多分私だけじゃなくてどなたが観たとしてもそう思われるはずです。とにかく、それでもこの映画が大好きな私としては、一度ロケ地を旅してみたいとずっとずっと思っていました。長年のあいだそう思いあこがれ続けてていた「去年マリエン…」のロケ地巡礼。ところが先週末、意外にもそれがあっさり実現したのです。それもたったの19ユーロ(2500円くらい)で。と言うのも、マリエンバートは実際にチェコにある地名なのだけど、この映画はそこにはぜんぜん関係なくて、実は舞台になったのはミュンヘンにあるふたつのバロック様式のお城なのです。で見つけたウィーンからミュンヘンまでの長距離バスの乗車料金19ユーロ。つまり私が長年抱いていた夢の実現がたった19ユーロ。これは正直、お財布的にはうれしかった。が、積年の壮大な夢のお値段としては果たしていかがなものか。と、どこか煮え切らないものを抱えつつ一路ミュンヘンへ。到着するなり向かったのは「ニンフェンブルグ城」、翌日は「シュライスハイム城」。どちらもミュンヘン市内にあります。そしてそしてこれらのお城がですねぇ、想像を絶してすごかった…。その驚嘆と感激をうまく説明出来ないので、以下箇条書きにします。
◯そのロココレベルがはんぱじゃなくて、「ロココ〜っ」を千回叫んだ。
◯どちらのお城も緑に埋め尽くされたその広大な敷地に圧倒された。
◯果てしなく続く運河には、ゴンドラが浮かべられいた。
◯1700年代から手つかずのまま保たれている感じが生々しく、そこは数百年の時が止まっていた。
◯当時の貴族たちのオブスキュアな欲望というものを、いたるところで垣間見ることが出来た。
◯ヴェルサイユよりもシェーンブルンよりもノイシュヴァンシュタインよりも、私が観た中でいちばんホンモノのお城であった。
◯お城を背景にして運河に浮かぶ美しい白鳥たちの姿が、正真正銘のザ・ヨーロッパを感じさせた。
◯「城」とは、この世の桃源郷であることを知った気がした。
◯映画公開からでさえ50年を経ても、使用された場所のすべてがそのまんまであった。
◯その上、どちらも観光客がほとんどいなかった。
◯ゆえに、憶えているシーンをちょっこり演じてみたりした。
などなど驚愕のミュンヘン旅なのでした。よく考えてみたら、とつぜんおジャマして驚嘆だの雄叫びだの私が騒いでいるのを横目に、先方さん(城)たちは優雅に当然のごとく素知らぬ顔をしてそこにおわせられた(あった)。しかもそれは数百年ものあいだ変わらずにです。なにものにも媚びることなく、観光客など決して眼中にない。そんな凛とした気高さこそが私があこがれるヨーロッパなのだとしみじみ感じた次第です。…ぜんぜん言い足りてない気がしてとってももどかしいのですが、はっきり言えることは「片道19ユーロ」ってことです。ちなみにこの映画は、シャネル本人が衣装を手がけた唯一のものです。素晴らしい映画です。
 
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