cool vienna!

ひょっとしてひょっとするとcool、かも知れないvienna。

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たぬきの所信表明
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ビーバー。別名、海の狸と書いて海だぬき。
正直言って、そのような方には、私はなるべくお目にはかかりたくないのです。今までこうして何の関わりもなくやって来て、それで何の不自由も感じなかったわけですから。それを今さら、あぁぜひとも海だぬきさんとお友だちになりたいな、などと思うはずもなく、なのに突然こうして登場の気配を残されて、ハイそうですかって穏やかでいられるわけがないのです。と言うより戦々恐々です。海だぬきのやつ、と言うか正確には川だぬきなわけですけど、やつはどうも日が暮れたあとに、どこからかのそのそと出て来るらしく、ドナウ川のほとりの私のお気に入りの場所の、いつも私が自転車を立てかけておく、ゆうに20メートルの高さはあるポプラの木の根元を、必死でカジカジしてる様子なのです。そうしてポプラの木の根元は、まるで齧られた茹でとうもろこしみたいになっちゃっているんですよ。この先、やつはこれをどうしようと思っているのか、そこんとこが知りたいわけですよ私としては。ビーバーはよく、誰に頼まれもしないのに自分の都合で木を齧ってダムを作るなどと聞いたことがあるけど、この場所の使用者の一員としては、そんなこと勝手にやられちゃ困っちゃいます。ポプラの方にしたって、上の方をキツツキにコンコンやられるならまだしも、こんな風にいきなり根元を齧られちゃとっても迷惑ですからね。ちゃんとその意図や目的を表明して、マニフェストとして文章化し張り出しておいていただくべきであり、そしてきっちりみんなの賛否を問うていただきたい。それが民主主義というものです。そんな困惑を抱えてポプラの木を眺めている時、あれっ?と気付いたのは、そのすぐ横の地面に空っぽのジム・ビームのビンが打ち捨てられていて、どうやらやつはこれを飲みながら、やけくそになってカジカジしていたと思われるんです。何かむしゃくしゃすることでもあったのですかね。そっかそっか、ああ見えてもたぬきはたぬきでいろいろタイヘンなんだね。と気付くと同時に、ドナウ川のたぬきもやっぱり酒好きだった、で、意外にもバーボンがお好みだった。その事実に苦笑しつつ、とにかく私が昼寝中にだけは登場してくれんなよ…と、そのことを願ってやまない夏のウィーンです。
| manakuma | daily view | 17:00 |