cool vienna!

ひょっとしてひょっとするとcool、かも知れないvienna。

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農耕民族の食事処
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最近、私がよく行く2区の「ピッツァ・マリー」。
ピザが何種類かと、飲み物と、デザートくらいしかない、シンプルなピッツェリアです。飾り気のないガランとした昔っぽいイタリア食堂をイメージしたインテリアに、人々の話し声が天井にこだまして、食堂然の安物のお皿と安物のピザ用ナイフ。これ以外のものは何も要らない、私の理想のお店なのです。だいたい私は、気取ったレストランよりも、素っ気なく清貧な感じが好きです。たとえばその日に着てた服を、わざわざ着替えて出掛けたりする必要のない、つっかけカランコロンのお食事処がいい。いつもの冷たいビールと、味は、特別美味し過ぎて無口になったりすることのない、そしてその逆の無口もない、いつ行っても安心して食べられる定番の味。テーブルをはさんで向かいに座ってるひとと、そこそこに会話が弾む、それも、人生の憂い系にはあまり関係のない、お天気とか日常のたわいもない出来事系の話題をそつなく導き出してくれる食事、そんなのがいいですね。だってもしも一緒に行ったひとが、ピザを食べながら弁証法的唯物論について語り出したら、ちょっと困っちゃいますからね。ここのピザは、石窯でこ〜んがりと焼かれた、はじっこはカリッと、でも本体のところどころがお餅みたいにプクーっとふくれ、全体的にはモチモチの生地がとても美味しいピザなのです。なのでときどき、トマトソースなしのピザも食べたりします。唐辛子入りのオリーブオイルをちょこっとかけて食べると、じわ〜っと小麦の味がして、そうだよそうだよ小麦粉ってもともと麦という穀物だったんだよね、ってことを思い出させてくれます。今頃イタリア半島のどこかで、一面に広がる初夏の麦畑にそよそよと風が吹き渡り、緑の麦の穂がざわざわと波打って、その上の青空をヒバリかなんかがちゅんちゅん言って飛んでる…(ヒバリ、ちゅんちゅんで合ってますか?)、そんな風景が目に浮かんで来て、異国のこととは言え、思わず「うんうん、コレコレ」とひとりうなずく、農耕民族出身の自分なのでした。でも混んだら嫌なので、あんまし来ないでね。
| manakuma | food + drink | 17:00 |