cool vienna!

ひょっとしてひょっとするとcool、かも知れないvienna。

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フィールドワーク

ウィーン郊外の森に囲まれた小さな町に住む友人が言いました。
「いつど(一度)でいっがらぁヌホンデイエン(日本庭園)っづうもんをごの目でみでみでぇんだオラぁ」と。彼の職業は木こりです。ご存知かとは思いますが、森の木を切るのが木こりの仕事です。友人であるこの木こりは、ジョージ・クルーニーをもちょっと素朴&ワイルドにしたような味のあるイケメンです。日本庭園と聞いて使命のようなものを感じた私は、それならちょうどいいところがあるよと言って、彼を連れて行ったのですセタガヤコウエンへ。…聞き間違いじゃありませんよ。ちゃんと「世田谷公園」です。そう言う名前の公園がウィーンの19区にあるのです。このセタガヤコウエンの由来云々、なぜ世田谷なのか、じゃなぜ練馬じゃダメなのか、などについてはどなたか別の方の解説におまかせするとして、とにかくそれは、旧大久保彦左衛門邸の庭とか、清澄庭園とか、ましてや、かの京都桂離宮などに比べると、ぐっとカジュアル感が漂い、同時にぐっとリーズナブル感も漂い、こぢんまりと小さく、それでもまぁなんと言うか、彼らは彼らなりに精一杯作ったのであろうという感じが、訪れる日本人にもそれなりに伝わって来る気がしないでもない日本庭園です。公園の中では、よしよし、よくやった…とうなづいている日本人の方もたまに見かけます(ウソです)。そしてこの日、初めて日本庭園というものを目の当たりにしたイケメン木こりは、そわそわと落ち着きなく、剪定のためにロープでぐるぐる巻かれて、枝をギチギチと四方八方に引っ張られてつながれている何本かの松の木の前に呆然と立ち尽くし、木々のあいだに置かれている石灯籠をめずらしそうになでさすり、私にプレゼントしようとしたのか、端正に育てられ咲いているシャクヤクを手折ろうとしたり、池の中に落ちるんじゃないかってくらい真剣に、泳いでいる真っ赤なジャンボ金魚(鯉のこと)の軍団を覗き込んだりしていました。そうして庭を3周ほど歩いたあと、それでなくてももともと無口なイケメン木こりは、ますます無口になって森へ帰って行ったのでした。
| manakuma | fun | 17:00 |