cool vienna!

ひょっとしてひょっとするとcool、かも知れないvienna。

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幸せの黄色い彌生
 

見たことありますか?黄色いてんとう虫。
私は、初めて見ました。つまり地球には、赤いてんとう虫と、黄色いてんとう虫がいるってことなのですね。ふむふむ。つい「初めて」と言ったけれど、実はこの「初めて」がどうも不確かなのです。だって赤いのがいたら、当然黄色もいそうだし。赤いスイカと黄色いスイカがあるのと同じように。とにかく、私くらいの長さを生きちゃうと、いつの頃からか、そういう類いの不確かなことがたまにあります。あれ、前にもこんなことあったかな、なかったかな、それとも前世であったのかな、なんてね分かんなくなっちゃう(ないか)。とにかくこの黄色いちっちゃ〜なやつは、初夏の午後、とあるレストランの庭の木陰で、冷たい白ワインのソーダ割りを飲みながら、ぼーっとしている私のところにやって来ました。ほかのテーブルのお客さんたちには目もくれず、私めがけてまっすぐ飛んで来たのですよ。なんだかすっごいラッキーっぽい!と思ったと同時に、じーっと見ていると、去年パリのプランタンのショーウィンドウに、衝撃的に立っていらした等身大のあの方を思い出しました。私よりもずっとずっと長く生きておられるあのお方ですよ。あのとき、オスマン通りに面したウィンドウの中は、いつもの黄色地に黒の水玉で埋め尽くされ、まるで細胞分裂したかのように何体も何体ものあの方が、中からじーっとこちらを睨んでおられましたっけ。ハルシネーションハルシネーション……(くわばらくわばら…的な)。この日の私は、この黄色のちっちゃ〜なやつがどこかにいなくなってしまうまでのあいだ、親愛の情を込めてやつを「やよいちゃん」と呼んでいました。が、返事はなかったです。そして細胞分裂もしてなかったようです。
| manakuma | art + design | 17:00 |
イケイケな博物館

犯罪……この暗黒なる響き。
つい数日前のことです。チャリで2区を走っていて、偶然「クリミナル・ムゼウム(犯罪博物館)」というものを見つけて、思い切って入ってみたのです。中世から近代にかけてのウィーンの街で起こった犯罪や事件にまつわるものが、シーンと静まり返った古い建物の中に所狭しと並べてありました。この博物館のいちばんの特徴は、CGだとか、ビデオだとか、音声解説だとか、今どきの展示方法は一切使われていないってことです。展示されている事件にはひとつひとつ、例えば「17XX年レオポルド地区の店主殺害事件」とか、「18XX年アルザーシュタット地区の毒殺事件」とか、まるで火曜サスペンス劇場のタイトルのようなものが当初から付けられ、のちのちまで語りぐさになっていたことを物語っています。当時の新聞記事や、写真がまだなかった時代でもカリカチュア(イラスト)で、民衆に向けて執拗に報道されているのです。そう言えば中には、ウィーン版「ブッチとサンダンス(明日に向かって撃て)」的な事件や、「アルカポネ」っぽい極悪人の事件も見かけました。そしていつの世も民衆は、この手の犯罪に戦々恐々となり、首をすくめながらも同時に耳をダンボにし、街中がヒソヒソとその殺人事件の話しで持ち切りだったわけですよ。ワイドショー的な俗っぽいスペクタキュラー感ひしひしです。業、業、業…のオンパレードです。そんなわけでこの博物館を訪れる人々は、恐いもの見たさに導かれ、それらの血なまぐさい事件の記事の数々を、しかも昔の新聞に使われていたゴシック文字で、延々と読み進んでいかなければならず、小さい割にとっても時間を要するのです。その上、つい熱心に記事を読んでるとすぐ横で、ギロチンで落とされた生首とか、犯人が毒薬を入れていたガラス瓶とか、死体を包んでいた麻袋とか、凶器が突き刺さったままの頭蓋骨とか、デスマスクとか、次々登場して来るので気が抜けません。19世紀後半になると、血みどろの現場写真もお目見えして来ます(もちろんモノクロですけどね)。そうしてやっと博物館を出て来る頃には、「週刊・噂の真相」20冊分を一気読みした程度の疲労感と、浅草の見世物小屋的シュール感と、世に渦巻く人間の業というもので肩の辺りがずずーんと重くなっているのでした。
| manakuma | art + design | 17:00 |
無駄な情熱の薔薇


どうやら若者という生物は、情熱をもて余しているらしい…。
と言うのも、オプシー君自慢のこのオブジェと言うかランプと言うか、とにかくこのグルグルは、子供の頃に自分が遊んでいたレーシングゲームのレールと電球を組み合わせて作った、アート作品だそうです。作るのに、なんだかとっても手間ひまかかりそうに見受けられました。で、意気揚々と自慢げに、またこの上なく熱く作品の説明を続けるオプシー君に対して、「そんなん作ってる時間があったら、私だったらもちょっと人生のためになる本なんか読んだりするんだけどなぁ」といった類いの思いは心の奥に潜め、ただ「へぇ〜、なかなかおもしろいね…」と短いコメントを述べるにとどめました。すっかり大人の世界に染まってしまった私なんでしょうか…。
| manakuma | art + design | 01:00 |
不器用ですから…


「何になってもいいけど、不器用ものにだけはなるなよ〜」
そんなキャッチコピーの、ちょっとドッキリのホームセンターの広告です。ところで、これを見て私は、「不器用もの」はそんなに悪いことなのかなぁって、ちょっと首を傾げました。少なくとも日本では、「不器用もの」はそんなにネガティブな意味を持ってないから。と言うよりむしろ、「不器用もの」イコール「正直者」、「誠実」、「ウソがつけない」、…みたいなイメージですよね。健さん入ってる。逆に「器用な人」の方は、「小賢しいやつ」、「ウソがとってもお上手な方」、「ウラになんかあんに決まってんっしょ」、って感じで、当然のように悪い人の烙印が押されちゃう。お国変わればポスター変わる。ってとこですかね。ま、こうなって来るともう日本の場合、「不器用な人」をうまく演じられる「器用な人」がいちばん得ってことで、さらに演技力も求められるわけですけどね。
| manakuma | art + design | 01:00 |
赤い本みつけた?


史上、世界でいちばん読まれた本については諸説あります。
たとえば聖書。これは、たとえ内容は同じでも、出版社(?)や違う言語、違う装丁が数えきれないほどたくさんあり、しかも何世紀も続いて出版されているわけです。それから、イケアのカタログっていう説も聞いたことあります。これも、いくつもの国にわたってそれぞれの言語で、しかもただで配られています。売ってるわけじゃなくて。それらに対して、この赤い本はたった一種類の装丁。たった一つの言語。たった一つの出版社。そしてただ一つの国で読まれた、噂によればたった5年間の間で8億部売れた正真正銘ベストセラー本です。内容は、たった一人の人の語録が、延々と書かれているらしいです。私は、そういう本があるということだけは聞いていたのですが、実際には今まで一度も見たことはなかったんです。ところがある日、5区にある中国もののちょっと怪しげなアンティーク屋さんの前を通ったら、ショーウィンドーに飾ってありました。金文字で堂々の「ザ・毛主席語録」。へぇ〜、これがかの…と感慨を覚えつつもその反面、文化大革命の頃、人々から「紅い宝の書」とまで尊ばれていたわりには、中学校の生徒手帳並みの安っぽい赤いビニールの装丁に驚きました。
| manakuma | art + design | 01:00 |
ウィーン川の果て


ウィーン川の果てに何があるかなんて、俺は知ぃらない。見たこともない。ただこのお化けがいたずらをしてるだけぇ〜。って替え歌作ってみました。この緑色のお化けは、ウィーン応用美術大学の裏手のウィーン川に出没して、なぜかユーロ札をほいっちに、ほいっちに…と次々に刷り出して川に放り込んでいます。多くのデザイナーや芸術家を輩出しているこの大学を、お金を作り出す気味の悪いお化けとして皮肉っているのでしょうか。ところでこの
お化けくん、たまに街で見かけるんですが意外にもキャラクターとして人気が出てもおかしくないほど可愛い。キャラ立ってる。これでもし、お化けくんキャラが売れちゃったりしたら、作者のグラフィティーアーティスト自らもまた、お金を作り出すお化けくんそのものに甘んじることになるのでしょうか。私たちはどうやらもう、すっかりお化けに乗っ取られたスパイラルワールドに生きてるようですね。
| manakuma | art + design | 01:00 |
はみだしてるかい


私以外にもはみだしもんがいっぱい。
そして私以外にも外国人や移民がいっぱい。それらの人々が混在する、私が住んでる16区。そのはみだしもんアーティストたちが寄り集まって作る、はみだしもんギャラリーが軒を連ねるはみだしもんストリートで、2年に一度、はみだしもんアートフェスティバルが行われます。このはみだしもんだらけのお祭りは、今年も相変わらず、古くからある川魚卸し専門店の庭をヘッドクウォーターにして盛り上がっていました。私はお察しの通り超がつくほどのはみだしもんなので、ここにいるとなんとなくほっとした気分になります。ところで肝心のアートですが。古くて大きな魚屋さんの建物の2階全体を使って、多くの若いアーティストたちが作品を展示してましたけど、いまいちガツンとくるものには出会えず。思わず「ちっ、もっと思いっきりはみださんかいこりゃ〜」と舌打ちしました。結局、窓辺に置いてあった魚屋さんの古い椅子が、いちばん気になる作品でした。
| manakuma | art + design | 01:00 |
なるほど科学技術


15区の科学技術博物館の広告。私のいま街で注目のポスターです。
注目の理由のひとつは、マッチ棒でこの男の人の目をぐぐっと広げて、何かを凝視しながら「aha.(なるほど)」って言ってるところ。科学技術に対する、ある意味ピタゴラスイッチ的なアプローチで笑えます。この国の科学技術者たちも、案外柔軟な発想を持ってんじゃないの?って興味をそそられます。もうひとつは、「今年で博物館開館100周年。それを記念して、6月17日から21日までの100時間をぶっとおしでオープン」と書いてあります。訪れる側の人々にとっては、あんまり意味を持たなくもないような気もしないでもない、この博物館側の一方的な発想ではありますが、逆にサービスとか媚(こび)とかそう言ったものをいっさい考えず、100という数字に限定してこだわったと思われる点で、科学技術とは何たるかが見えて来る気がします。で、思わず自分が「aha...」とつぶやきました。
| manakuma | art + design | 01:00 |
根源的ドブネズミ


ドブネズミみたいに美しくなりたいバウミーくんの作品。
いつもは人目を忍んで真夜中のウィーンの街をこっそり描いてまわってるの
に、何をどう間違ったのかウィーン国際展示会場で開催中の現代美術作品の
トレードショーで見かけました。ビジネスとアート…。この根源的な矛盾に
誰も気付かないふりをして、ショーは明るく正しく行われていました。バウ
ミーのこの黄色い壁は迫力があって良かったけど、見てるこっちはなぜかち
ょっと照れくさかったし、無理矢理お行儀よく座らされてるやんちゃ坊主っ
ぽくてどこか居心地悪そうに見えました。やっぱキミにはストリートの方が
合ってる気がするな…。
| manakuma | art + design | 01:00 |
プルーヴェの軌跡


ジャン・プルーヴェのもう一方の仕事に家具のデザインがあります。
実は3月のパリでも、小さなギャラリーで展覧会を見ました。プルーヴェ、
大人気。ウィーンでもアンティークの家具がまだ見つかるし、復刻版などが
出ていて当然欲しいけどなかなか手が出ません。何せプレハブ育ちなので。
(トラウマ解消遠し…)仕方ないので、とりあえずじっくり見て来ました。
氏の作品を語る時に機能性、構造力学、生産性、合理性…というような言葉
がよく使われますが、実際の作品群はいつも意外にもとてもチャーミングで
暖かみがあるので、私はプルーヴェの人間性というものに最も惹かれます。
そしてウィーンのこの展覧会で知ったもうひとつの驚きの発見。ジャック・
タチの「ぼくの伯父さん」(1958年)に出て来たあの超モダンな家。あれ
もジャン・プルーヴェの建てた家だったんです。私の中で点と点がひとつの
線で繋がった瞬間。そんな気がしました。でもキング・エルビスは今のとこ
ろまだ繋がってません。
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