
食欲の秋。私の好きなオーストリア料理のデザートです。
どこのレストランでもある伝統のデザートで、ナッツ入りのしっとりとした
チョコレートケーキに暖かいビターチョコレートのソースがたっぷり。添え
られたこれまたたっぷりのホイップクリームとあいまって、ドラマチックな
ディナーの終焉を醸し出してくれます。そんなこんなで確かに好きは好きな
のですが、これを頼む時に私がちょっと複雑な気分になっちゃう理由は、
「モア・イム・へムド」というこのデザートの名前にあります。でもこのド
イツ語をここで訳すことは、どうかお赦し願いたい。そんな気分。そういえ
ば思い出したんですけど、昔、東京のうちの近所にあった私と妹が大ファン
だった美味しいケーキ屋さん。そこのケーキのひとつに、ナッツやドライフ
ルーツが入ってリキュールたっぷりのパウンドケーキ風のものがあり、それ
がやっぱり「インディアン・プリン」と呼ばれていました。カスタードプリ
ンとは全然違うので、不思議な名前だなぁといつも思っていました。あとで
知ったのは、スポンジケーキの切り落としのようなものを集めて小さな型に
詰め、ガムシロップやリキュールをしみ込ませたものをイギリスではプディ
ングって呼ぶんですね。パンプディングってありますけどあの類い。だから
あのケーキはインディアン・プリンだったんです。でも、なぜインディアン
なのかは、これも想像にお任せです。ところであのケーキとインディアン・
サマーとの関連性はいまだに分かりません。