cool vienna!

デカダント&ビザール&のほほ〜ん。私の住む街ウィーンの素顔です。

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クルミに吠えろ!


ところで、秋は意外にも騒々しい季節です。
と言うのも、私の住むアパートの中庭には背の高いクルミの木があるんです
ね。で、あろうことかその木のすぐ下にトタン屋根の物置小屋があり、真夜
中にクルミの実が、そのトタン屋根めがけて真っ逆さまに落ちるわけです。
何せ背の高い木なのでクルミは空中で思いっきり加速され、トタン上に着地
するたびに「パーンっ!」「パーンっ!」と乾いた音が庭中に響き渡るんで
す。その瞬間、この庭を囲むアパート全棟の全戸の全寝室の、うとうとと今
まさに心地よい眠りに落ちらんとする人間たち全員が、「ぎゃっ銃声だ!誰
かが撃たれたに違いないっ!!」と驚いて、ガバッと飛び起き上がざるを得
ないという事態が起こります。(…どうでもいいけど、トビオキアガザルヲ
エナイって日本語、合ってますか?)もちろん私もそのうちのひとりです。
だから、飛び起き上がざるを得ない。で、それは人間だけじゃありません。
ペットの猫だってインコだってウサギだってトカゲだってアメンボだって、
きっと飛び起き上がざるを得ない。(もういいって)そんなわけで、どうし
ても刑事ものの夢が多い今日この頃です。
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ラヴィアンローズ


今回、パリの街角で偶然、10年以上ぶりの友人に会ったんです。
以前私がまだ東京に住んでた頃、練馬の彼女のアパートにはよく遊びに行き
ました。思わぬところでの偶然の再会に、ふたりとも一瞬言葉も出ず。聞く
と、あの頃同居していた彼とは別れ、6年前からフリーのジャーナリストと
して、パリにひとりで住んでいるんだそうです。私は、てっきり彼女があの
まま結婚して、今頃東京で子供さんでも育ててるのかと思ってました。そし
て私の今回のパリ滞在の最後の晩は、オペラ座の向こうに浮かぶ美しい満月
を眺めつつ、その彼女とキールを何杯も傾けながら語り合いました。懐かし
い話しにも華が咲いてとても楽しかった。あの頃の彼女と私。今ここに座っ
てる彼女と私。その間にある長い時間と長い距離が折り重なって醸し出され
る得も言われぬ不思議な芳香…。そんな感じの何かに酔いしれた、キラキラ
輝く一晩でした。人生にカンパイっ!
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雲丹苦労夜露死苦


巴里のアメリカ人。
ガーシュインの曲のタイトルであり、ジーン・ケリーのミュージカル映画で
すね。ところでこの巴里のナントカ人って表現は、たいていの場合がいい感
じに聞こえます。それは私の偏見でしょうか。たとえば巴里のアフリカ人。
かっこいい。じゃ、巴里のベトナム人。ステキ。巴里のヴェネズエラ人。美
しい。巴里のトルクメニスタン人。エキゾチック〜。巴里のトリニダード・
ドバゴ人。最高。ほんじゃこれどうですか、巴里の日本人。(しかも大勢)
んー…。なぜか急に現実に引き戻されちゃった感が否めません。そして巴里
のいらっしゃいませ〜っ。巴里のこちらにお並びくださいーっ。巴里の次の
方どうぞ〜っ。んーー…。バリバリ、コテコテ、現実、日常、駅前商店街。
そしてそして、巴里のユニクロ。スゴカッタデス…。
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ひとりズームイン


パリ滞在中は、朝早く起きてホテルから仕事場まで歩くことに決めた私。
美味しいブーランジュリーを見つけて、焼きたてパン・オ・ショコラを食べ
ながら、てくてくとウィークデーの早朝の街を歩いていると、普段のパリで
は見掛けないものをたくさん発見します。まずこれ。パリのボーイズの間で
流行中らしいとあるメーカーのバックパック。しかも黒からグレーにかけて
が人気色のようです。ファッションニュースでは得ることの出来ないパリの
街角からの超ホットな生情報をお届け。で、よく見ると意外とシックで可愛
いのねこれが。思わず、私も背負っちゃおうかな…気分になりました。もし
これがアメリカのどこかの街のアメリカのボーイズだったら、あんまり気に
留めなかったかも知れないんですけど。通学途中の子供たちまでオシャレに
見えちゃうパリの威力ってすごい。つか、ただのおのぼりさんってことなの
かウィーン人(私のこと)。
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カフェパラディス


ミラノは、ひと呼んで「コーヒー天国」です。
ひとっつうか、私がそう呼んでるだけですけどね。と言うのもコーヒーの味
はもちろん、お値段がまたとってもリーズナブルなんです。例えばこのカプ
チーノ。乗せてくれるアワアワミルクもとろ〜りふわふわ〜で、一杯250
円くらいです。バールのカウンターに立って店員さんをよく見てると、この
ミルクの入れ方はどこも共通しているみたいですね。エスプレッソコーヒー
の上からすぐに半分の量のミルクを注いだ後に、カウンターの上に用意して
いたソーサーへカップを移して、再びアワアワミルクの入ったポットを前後
に細かく揺すりながら残りの分量を注いでいきます。するとぐいぐいぐい〜
っとまるで葉っぱのような形をした模様がコーヒーの上に出来上がります。
美しいんだなぁ〜これが。そうしてブルーカラーワーカーの人たちもみな、
このコーヒータイムを気軽に楽しんでる。だからコーヒー天国です。
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かっこいい舞台裏


街から空港へ向かう電車は、いつもこの石油精製工場の横を走ります。
それは膨大な規模の、無数の鉄の配管が絡まり合って、これまた無数の巨大
な煙突から火を噴くおそろしくグロテスクな工場です。夢を壊してしまって
申し訳ないんですけど、クラシックな街並が残るステキなウィーンという街
には似ても似つかない鉄と油のラフィネリー。これがウィーンという街の裏
の顔。本性。ダークサイド。普段、街の中ではこの工場のことを忘れている
ので、こうして突然目の前に現れるとちょっとドキッとして、見てはいけな
いものを見ちゃった気がします。でもすぐに、ビジュアル的にはこっちの方
が断然かっこいいじゃん〜!って、ギャル風に思ったりもします。
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愛と平和の展望台


青物市場の展望台、別名ウォッチタワーにて。
16区の青物市場は、今日もこの私によって平和が保たれているようです。
コーヒーカップを傾けながら「うん、うん、これで良し」とひとりうなずい
ていたところ、目の前の中国製洋品店の店頭では、いつもカラフルでファッ
ショナブルなお洋服のかかるラックと段ボール箱に埋もれ座ってる、最上級
の接客態度を誇るショップアシスタントのおばちゃんに、同じお店の中国人
の男性店員が何かを手渡していました。「もしや、ヤバいモノなのか?」と
身を乗り出して見てみると、チケットらしき紙が連なって5、6枚。それが
なんと泣く子も黙るウィーン楽友教会のチケットだったんです。左端に輝く
ゴールドのレリーフが入ってるので間違いありません。それで気付いたんで
すけど中国人の店員の方だって中国製品の販売員のおばちゃんだって、誰だ
って、ウィーン楽友教会のコンサートに行くことは出来るんですよね。クラ
シック音楽をこよなく愛し、そして少しだけお財布の中身に余裕があれば。
当たり前のことではあるけど、それを見た私はなぜかちょっと雷に打たれた
ような気分になりました。
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眺めのいいカフェ


人は誰でも高いところが好きです。…のはずです。
高いところに立つと、偉い人になった気分になれるからでしょうか。誰も見
てないのについ胸を張っちゃったり、聞こえてもいないのに下に見える小さ
な人や車に向かって「チミ、チミぃ…(キミ、キミの意)」なんて呼んでみ
たりして。(しないって)それはともかく、そのあこがれの高いところで堂
々とコーヒーまで飲めちゃうステキなカフェが私の仕事場のすぐそば、16
区の青物市場の中にあるんです。この移動式のスタンドの横についてる螺旋
階段をぐるっと上ること高さ約2メートル50センチ。スタンドの屋根の上
には小さなテーブルが4つ。パラソルふたつ。あらかじめ言っときますが、
この質素な見た目だけで見くびっちゃいけません。これがどうしてなかなか
の眺望で、市場全体が見下ろせる展望台なんです。しかもコーヒー付きで。
ただし、この市場全体を見下ろすことに何らかの意義を見いだそうとする方
にはおすすめ出来ませんけどね。
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フロイトのピザ屋


さて、肝心のきのうのスピナッチ・ピザのお味ですが。
あそうそう、ところで私は数年前にサイコセラピーに通ってたことがあるん
ですね。どうです、すごいでしょ。本家本元、ウィーンのサイコセラピー。
先生はドクター・フロイト。ではなくて、中年の女性の先生でした。今だか
らこうして気楽にしてるけど、当時の私は精神的にとても追いつめられて、
辛くて、だから藁をもすがる思いで彼女のところへ行ったわけなんですよ。
でセラピーの効果もあまり見られないまま何度か通った頃、しょんぼりして
いる私に向かって彼女がこう言ったんです。「たまには、あなたもおめかし
して外に出掛けなくちゃダメよ〜」と、まるで親戚のおばちゃんの軽い励ま
しのような。それも、あんまり親身になってくれてるわけじゃないタイプの
おばちゃん系の。そして続けてこう言ったんです。「それでさぁ、思い切っ
て『ピザ屋』に『ピザ』なんかを食べに行っちゃうのよ…」と。そのあと、
なぜか私は彼女のクリニックへは一度も行ってません。
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しあわせの青い襟


今日も来てしまったドナウ川。
坂はのぼらなかったし、ひとりでもなかったんですけど。ところで、何を隠
そう最近の私のマイブームは「ブルー」です。つまり青っていう色にすごく
惹かれてるんです。青と言えばインディゴブルーにはじまって、空の青、水
の青、カプリ島の「グロッタ・アズーラ(碧の洞窟)」。そしてちょっと青
臭いけどいまだに忘れられない青春の金字塔ブルーハーツ。それから、英語
では肉体労働者のことを「ブルー・カラー・ワーカー」などと呼んだりしま
すね。なぜ青い襟なのか、由来は知らないけどとってもかっくいい〜。私も
ブルー・カラー・ワーカーになりたい。いや、ほとんどそうですけど。とに
かくブルーって聞いただけで、なんだかとっても今の気分なんです。でも、
ブルーって色は食べ物の中にはほとんど無くって、だからブルーの食器を使
うと食欲減退に役立つ…って聞いたことありますけどホントなんですかね。
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